クリーム

フーリガンのクリームのレビュー・感想・評価

フーリガン(2005年製作の映画)
3.8
現在フーリガンは、ほぼいない様ですが、一部では名残りがある様です。本作は、アメリカ人の何も知らない主人公の目線で描かれるので、解りやすかったです。フーリガンってどんな人達なんだろう?と興味深く観賞しましたが、要は、ただ暴れたいだけの人達に見えましたが…。美化せず描いていたのには好感が持てました。

ハーバードの学生マットは、僚の同室ジェレミーから麻薬所持の濡れ衣を着せられ退学になり、姉シャノンの住む英国にやって来ます。姉は夫スティーヴと甥っ子の3人家族で、そこにスティーヴの弟ピートが現れ、マットは彼と出掛ける事になり、ウェストハムのファームGESのメンバーと交流して行く事になるのでした。



ネタバレ↓



彼等と試合観戦したマットは、次第に彼等の世界に染まって行きます。
最初こそ、ヤンク(アメリカ人)と言われますが、ボヴァー以外とはすぐに打ち解けます。
ボヴァーは試合中、敵チームに喧嘩を売る過激なタイプ。試合後、皆と別れたマイクは1人になった所、敵のファームに襲われます。それを見越していたピート達が駆け付け大乱闘。マイクは、仲間意識が芽生え、魅了され始めます。
欧州では各チームにファームがあり、ピート達のウェストハムのファームの名はGSE(Green Street Elite)。ファームは他のクラブのファームと衝突するフーリガン。
その後も宿敵、ミルウォールのファームと大乱闘する等、マットはGSEにいるヤンクとして有名になります。
その頃には、パンチを食らっても平気になり、生半可じゃ生きてる気がしない等と思うのでした。
FA杯の対戦相手が、ミルウォールと知り盛り上がる中、ジャーナリストの父と会っていたマットを目撃したボヴァーが、スパイだと騒ぎ、敵に密告、襲撃を願います。
GSEの伝説のリーダーだったスティーヴがバーにやって来た。彼は、ミルウォールのリーダーの息子が闘争に巻き込まれ死亡した時のリーダーで、責任を感じGSEを辞めた。妻に二度とGSEに戻らないと約束していたが、マイクに危険が迫っている事を伝え、米国に帰そうと話に来たのだ。
その時、バー事ミルウォールに襲撃され、スティーヴは首を刺され重症を負います。そして、その後決闘に…。そこにシャノンが赤ん坊を連れ車でマイクを迎えにやって来るとシャノンが狙われ、彼等を守る為、ピートは殴り殺された。
米国に戻ったマイクは、ジェレミーに仕返します。

フーリガンの実体に触れる作品で、フットボールファンとしては、興味深かったです。フーリガンは、熱狂的なサポーターである事は間違い無いが、喧嘩したい気持ちが前提にある人達でした。名誉の為に戦う等と言っていたが、ただの殴り合いにしか見えません。息子を亡くし、殺人を犯し犯罪者になった者、妻子を失った者、自らの命を落とした者と暴力の行き着く先を綺麗事でなく描いたのは良かったです。

※実際、ミルウォールとウエストハムのサポーターは一触即発。昔、ミルウォールサポーターが地下鉄駅でウェストハムサポーターに射殺された事の報復にミルウォール側がウェストハム側のパプを破壊した事で、抗争が続いているらしいです。
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