ざかい

線は、僕を描くのざかいのレビュー・感想・評価

線は、僕を描く(2022年製作の映画)
4.0
西濱さんと霜介で食材を買いに農家を巡るシーンが特に印象に残った。水墨画は命を描くものと作中で何度も登場する。また、西濱さんや湖山先生が食材に対して感謝を込めて手を合わせているシーンも象徴的に描かれている。その中で西濱さんは、スーパーで並んでる切り身やバラ肉ばかり見ていると命を忘れてしまうと霜介に話す。
水墨画は描く対象を通して自らの命を描いていると思った。対象の命を感じて向き合うことで、自らの命を意識することが出来るのではないだろうか。そのために、普段から命を忘れないために食事にも感謝をするし、農家に直接赴くことで忘れないようにしているのだと思った。
災害で家族を失い立ち止まってた霜介が命と向き合うのに必要な経験だったのだと思う。
ここ数年、災害やらパンデミックやらで命と向き合わなければならない機会が増えてきた。その中で、この映画を見ることで何かきっかけを掴める人がいると思う。
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