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線は、僕を描くのxavierのレビュー・感想・評価

線は、僕を描く(2022年製作の映画)
4.0
涙をぬぐい、心を描け…
大学生の青山霜介は絵画展設営のアルバイト中に水墨画と運命的な出会いを果たす。
白と黒だけで表現された水墨画は霜介の前に色あざやかに広がり家族を不慮の事故で失ったことで深い喪失感を抱えていた彼の世界は一変させられる。巨匠・篠田湖山に声を掛けられ水墨画を学ぶ事になった霜介は初めての世界に戸惑いながらも魅了されていく…
ストーリーはこんな感じ。
水墨画がテーマってどうなんだろう?って思いから観ることに、二の足を踏んでいたけど"果耶ちゃんも出てるし河合優実も出てるし観てみるか"と軽い気持ちで観てみました。
結論から言うと"早く観とけば良かった…"
と思ったかな…

水墨画の巨匠である湖山から「弟子にならない?」って一言から物語は始まっていく
湖山の書いた"春蘭"を手本に何枚も書かされたり墨の擦り方にも良し悪しがあるんだなぁ…と思いながら見入っちゃてました。
それに人が何かに一生懸命な姿って、ずっと観れちゃうんだなぁって事も…
また湖山先生が多くを語らないところも良かったかな。何か"自分としっかり向き合え"って言ってるようで…

この作品でも良かったのは清原果耶ちゃん
やっぱ、この子凄いなって思う。
千瑛って役が水墨画にすごい才能を持っていて自信もあるんだけど、その一方で満足な絵が書けないジレンマも持っている子なんだよね。結構、難しい役どころではあると思うんだけど見事に演じきってたしね。
彼女は凛としてるんだけど、その中にも柔らかさがあるところが好きなんだよね。
この作品でも、そんなところが存分に観れて良かったです。

勿論、横浜流星も良かったですが、意外に良かったのが西濱を演じた江口洋介。
ずっと料理が上手で時々いい事を言うおじさんだなぁ…って思ってたんだけど、実は凄い人なんだって思わされるシーンがあり
そのシーンは異常にカッコよかったのが印象的でしたね。

結構、淡々と進む静かな映画なんだけど、作品の後半には胸を揺さぶられる様なエモい展開もあり、なかなか面白かったです。
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