このレビューはネタバレを含みます
人は誰でも”業”を背負って生きているけれど、仕掛け人ともなるとその”業”も深くなる。
『2』は復讐する側の彦さん、復讐される側の梅安さんの物語。語られる過去が現在に繋がっていると深く感じる作品だった。
この作品は佐藤浩市が兎に角凄くて、彼が仕掛けを目撃するシーンだけも背筋が寒くなった。彼は梅安さんに復讐しようとしているんだけれど、「1番殺したいのは己」つまり、自分の道場通いが妻の不貞を招いた事に気付いている。それでも復讐する粘着質さがおくさんに嫌われたのかな。一人で生きるのは寂しいけれど、気持ちがすれ違う事なんて当たり前にあるんだなあと思って見ていた。
彦さんの方は、「時代と悲劇」としか言い様がなくて、胸が痛んだ。仕掛けを頼んだ兄が弟が死んで見違える様につるつるになっていたけれど、梅安にはすっとぼけるのが、世間だなあと感じた。
ラスト松本幸四郎が出演していて『3』を予感した。もし可能ならば見てみたい。
