菩薩

劇場版 Gのレコンギスタ V 死線を越えての菩薩のレビュー・感想・評価

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最後の最後まで大乱交スマッシュブラザーズ状態でカオスに次ぐカオスの連続に押し寄せる情報量をなんとか嚥下していくのに精一杯であるが、ヤクザ映画の様に人物が次々と画面から退場していく事で関係性が整理されていき最後には属性を解体/解放された次世代に生き残るべき人々達が大団円ぽい雰囲気を醸し出し一大絵巻は堂々と完結へと導かれる。言うなれば面子や打算、過度の開発・干渉に対する否定、愛と憎を含む人間の激しい感情移動の肯定、大人のおもちゃを与えられたその正しい利用法も知らぬまま振り回す愚者と犠牲になる者達など、分かりにくさの中にも一定程度通奏低音として貫かれたそれらしきものは感じられるし、この力の入り様からしたら本来であればファースト以上に一般流通すべき代物である気もするが…あまりの濃度の濃さと躁度の高さにはっきり言ってぐったりである。ただやっぱりなんか泣いちゃったりすんのよね、マニィの想いの強さにとか、ルインの持たざる者としての咆哮なんかに、ベルリもベルリで全てを課された者としての苦悩に心揺らがされたり。行き過ぎた懐古主義でも度の過ぎた未来志向でもなく、ガンダムが果たすべき責任は十分に果たしたシリーズであったと改めて思う、たぶん。
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