ここじゃないどこかを目指すモラトリアムムービーではなく、既に失われてしまった理想郷への回帰をひたすら目指すシスターフッドムービー。早々に関係が破綻して以降はひたすらあーでもないこーでもないとジタバタし続けるし、隣の芝生は常に青い。とち狂っておぢとキッスかますあたりで流石にちょっと待ったコールを繰り出しそうになるがちゃんと的確な苦言を呈してくれるし、こう言う場合その手のアドバイスは絶対的に正しい。フロイド以上にあなたがここにいて欲しいの炎は最後まで消えず、愛情ではなく友情故の心地よさが映画を包み込み終わるが、残念ながら友達がいない私にはそれが分からないのが悲しい。なんかめっちゃ「祖」って感じがした。
