叡福寺清子

MEMORY メモリーの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

MEMORY メモリー(2022年製作の映画)
3.4
モニカ・ベルッチが結構なオバさんになっていて,ショックを隠せない三遊亭呼延灼です.こんばんわ.本作タイトルのメモリーは,もちろん痴呆によって失われゆく記憶のことですが、もうひとつUSBメモリーの事も表していますね、よー知りませんけど.

殺し屋稼業のアレックスさんは,子供だけは始末しない主義.ところがメキシコに蔓延る少女売買と売春の証言者となる可能性があった少女の殺害を依頼されたもんだから・・・

さすがに御年70歳のニーソンさんに激しいアクションは無理っぽですから,痴呆の初期症状というハンデは妥当だったんじゃないかしら.都度都度で発作的行動が出て,ちゃんと休憩できますし.その代わりに躍動するのがガイ・ピアースさん.外の人はFBIの少女売買特捜班のリーダーであるヴィンセントさん.ちょび髭はともかく,部下思いで行動派なナイス・ガイ・ピアーズでありました.
少女売買に関与した連中を次々と屠るアレックスさん.組織犯罪の捜査対象がぬっ殺されているヴィンセント捜査官.二人が交わったとき・・・

『(表の顔が不動産王であるスーパーリッチな組織のトップの)彼女が目の前で金と銃を取引しても,(金の力で)無罪を勝ち取るだろう』という台詞に本作の本質が集約されています.であれば,法で裁けぬ悪を断ち切る仕事人が,登場するのは致し方ないのやもしれません.
そして作品では描いていませんが,たとえ今回のトップを排除したって,すぐに他の誰かがその座に座ることになるのでしょう.といったあたりに無情さを感じてしまう呼延灼でございます.現場からは以上でっす!