風来坊

MEMORY メモリーの風来坊のレビュー・感想・評価

MEMORY メモリー(2022年製作の映画)
3.5
原作はベストセラー小説で映画化のオリジナルは2003年のベルギー映画「ザ・ヒットマン」みたいですね。流石にオリジナルは観てないです。
近作の「マーベラス」も良かったですし、アクション映画の雄のマーティン・キャンベル監督なので期待していました。

しかし…原作もあるので構成が決まってしまうところもあるのでしょうが、いつもの監督の小気味よいテンポは影を潜めて50分辺りまでは少し退屈です。
アルツハイマー病を患った暗殺者が主人公というよりは、人身売買を追う刑事達とのW主演みたいな構図。

終盤の展開のためとは言っても、刑事達と黒幕にちょっと尺を使いすぎな気もしました。
屋内立体駐車場から吹っ飛んだにしろ、落ちたところがあの場所は不自然ですね…。
モニカ・ベルッチさんに遠慮した訳では無いでしょうが、もっとキャラクターの極悪さを出した方が良かったと思います。子どもを商品にする悪党なのに銃撃でビビるし、所業も肝心なところは濁していて悪役として魅力に欠けます。

リーアム・ニーソンさんは相変わらず渋くて安定感ある演技でアルツハイマー病を発症した殺し屋を熱演。女刑事役のタジ・アトワルさんが可愛い。
モニカ・ベルッチさんは相変わらず悪女が似合うが…やはり時の流れを感じてしまう。
ガイ・ピアースさんはちょっと影が薄いような印象…。

私の好きなB級映画で常連のルイス・マンディロアさんがチョイ役で出演。別に彼でなくともいい役だった(笑)
キャストは豪華ですけれど、それが活かされていたかは微妙なところ…。
終盤の展開は意外性はありましたが痛快さは皆無…。

徐々にアルツハイマー病が進行して行き、凄腕の殺し屋の行動に歪みが出て来るのは見応えがありますね。やはりニーソンさんの渋さと演技力で繋ぎ止めていた印象。
アクションというよりもサスペンスに振った印象。面白くない訳では無いですが、テンポの悪さといい痛快さもなく決め手に欠ける作品でした。
風来坊

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