Uえい

“それ”がいる森のUえいのネタバレレビュー・内容・結末

“それ”がいる森(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

がっつりネタバレをしなくては語れない映画だ。とある田舎の村を舞台に、近くの森に住む何かが人間に危害を加え始める。プロローグとして森で何者かに襲われるシーンがあるのだが、これがありきたりなチープな演出で笑ってしまった。

主人公は相葉雅紀演じる淳一だ。都会で義父との関係が悪くなり、妻と子を残して田舎でみかん農家をしている。ある日息子一也が家で同然で淳一の元にやってきて共同生活が始まる。一也が学校の友達と近くの森で遊んでいると、宇宙船のようなものがあり、友人が宇宙人に襲われてしまった。ここで、ホラーではなくオカルト的なジャンル映画だと判明しツイストする。

その後、淳一も襲われるが、子供のみを狙っていることが判明する。子供をグロテスクに飲み込むと増殖するシーンはなかなか気持ち悪い。そして、森に住む宇宙人という点や、宇宙人視点の映像描写がプレデターによく似ていた。ここでピンとくるだろうか、ジャニー喜多川氏の性加害報道のタイトルと繋がってしまう。これが第二のツイストである。相葉雅紀の次世代が加害を受ける中、果敢にプレデターと戦う姿に見えてならないが、本人は現在同事務所に在籍している。

なんとか宇宙人を退けることに成功した。なんと宇宙人は淳一の育てるミカンの病気に弱かったのだ。かつての被害者の持つ性病の比喩なのかとも思えてしまうし、子供への虐待防止などの運動のシンボルカラーがオレンジだというのも見逃せない事実だろう。

冒頭のシーンは勿論、車で走っているところに急に宇宙人が出てくるジャンプスケアなど、チープな演出が多すぎる気がした。監督は「リング」の田中秀夫と大ベテランなので、これはわざとなのでは無いかと勘繰ってしまう。あえて上っ面をチープにして、メタファーであることを示していたのでは無いか。そして、それをチープだとして笑ってしまう行為自体が、性加害問題を知っているのにテレビ番組を楽しんでいる視聴者の態度なのではないだろうか。とヒヤッとさせられた。(ジャニー喜多川氏の性加害問題の報道より前に作られた映画なので、この見方もフィクションです。)
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