ひかるん

ザリガニの鳴くところのひかるんのネタバレレビュー・内容・結末

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

カスが死んでハッピー

カス父親の暴力で一家離散し、1人沼地の家に取り残されて周りから仲間はずれに、蔑まれて孤独に生きてきた女の子が
素敵な出会いとか別れとか幸せを掴みかけてカス野郎に引っかかったりする話
カス野郎が高いとこから落ちて死んでたのが見つかり、殺人の容疑で裁判が起こるけど無罪を勝ち取って最終的に幸せに老衰して死ぬ話

映画全体が淡い優しい青って感じに包まれてて美しくて強かって感じだった

幼馴染相手との恋の純粋さとか甘酸っぱさとかほろ苦さ、
カス野郎相手との恋の不器用さとか倒錯してる感じ、両方よかった

カス野郎が暴力を振るい始めた時は「殺せ〜」って思ったけど、
カス野郎はカス野郎で多分本気で主人公を好きだったし、
・あの母親に育てられた
・両親嫌いだった
・町の有権者の子供で人気者っていう望んだものが手に入ってしまう環境
・最後まで首飾りをしていた
ってあたりから誰かを愛する作法を知らなかったんじゃないかな、と今思うと同情しちゃう

最後は主人公がカス野郎を実は殺していたことが示唆されてたけど、
やっぱあの首飾りを本の中に隠していたのは、ちゃんとカス野郎のことは好きだったんだろうな
1人で暮らすことと怯えて暮らすことは違う、降りかかる火の粉は払うが、火のことは好きだったみたいな。
愛憎と善悪と生死をフラットに考える生き方はカマキリやホタルに学んだんかな
絶対穿った見方だろうけど

それらを全て包む優しい湿地の自然、って映画だった
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