いずみ

ザリガニの鳴くところのいずみのレビュー・感想・評価

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
4.1
幼い頃に両親から置き去りにされ、一部を除いた町民たちから「湿地の娘」と蔑称されながら、大自然の中で孤独と共に生きるカイアにとって、自然界の掟が人生の道標になるのは当然のこと。

「自然に善悪は存在しない」

この一言が、あの結末を物語っている。

喜びも束の間……

本の間に隠されていたアレを見つけてしまった今、私はカイアに対する懐疑心が拭えないままでいる。

「死人に口無し」と言うように、カイアが一方的に、自分に都合の良い証言をしている可能性すら感じてしまった。

真相を知る由もないが、考えれば考えるほど、もがけばもがくほど、湿地の闇に足を取られ、奥底に感情が沈められていく。
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