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ザリガニの鳴くところのペコのレビュー・感想・評価

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
3.9
湿地帯で育った少女が殺人事件の容疑者となり、壮絶な人生が明らかになっていくミステリー作品。ミステリー作品というよりは法廷劇。法廷で裁判が進むにつれて、主人公のカイアと生い立ちと事件までの流れが明らかになっていきます。6歳から一人暮らしなんて壮絶すぎる!カイア、テイト、チェイスの3人の恋愛模様が丁寧に繊細に描かれており、全体的に非常にバランスが取れている作品でした。湿地帯という美しくもジメジメした不気味さを感じさせる舞台で繰り広げられる人間ドラマがとても見応えがありました。周りからはみんなが去っていき、1人で生きていくために様々な経験や知識を学んでいったカイヤ。出会い、別れ、恋愛、裏切り、自然…裁判が終わってから、結末はどうなるのかと思っていましたが、最後の最後でハッとさせられました。湿地帯の自然だけが彼女にとっては唯一信頼できる存在だったのかもしれない。湿地が彼女を育てたが、ザリガニは最後まで鳴かなかったのか。
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