ザリガニの鳴くところのHONDAGRAPHICSのレビュー・感想・評価

動物的な純粋さと残酷さが巧妙に描かれていました。主人公が「母」について考えるときに、生物学や動物行動学にその理由を見出そうとする点は興味深かったです。つらい境遇から逃避しているわけではなく、そうせざるを得なかったし、それを自分で見出したところが印象に残りました。その時点で、もはや人智を越えています。周りの人が考えている以上のことが、湿地で起こりますが、恵まれた環境で生活してきた人々には到底考えつかないことだと思いました。