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ザリガニの鳴くところのNobのレビュー・感想・評価

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
4.0
ミステリーや法廷ドラマの側面を持ちながらも、あくまで主眼は米南部の湿地帯と共に成長した主人公カイアの物語。

偏見差別や村意識、恋愛も絡ませながら謎が深まっていくストーリー展開は、流石アメリカの本屋大賞受賞作だけあって引き込まれる。また、湿地の上空をゆく鳥瞰映像が素晴らしく、ボートの引き波、切り株の羽根、地平線の花火…など印象的な映像も多く、観終わってからの余韻が深い。

物語丸々一本の伏線と言って過言ではないかなり広めの伏線が、最後にカタルシスとして解放される様は圧巻の一言。幸せであったろう人生の最後に、その生きる力を知る。美しい自然の描写がその事実を納得いくものにさせている。
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