介護のリアル。
今でも十分そうなんだけど、これから更に、そして確実に問題になるだろうテーマに真正面からぶつかってる作品。
エンタメとテーマ性──その二つを兼ね備えてる作品。
まさに映画という感じ。
正論なんだよ。
斯波の言葉は正論。
否定できない。
ただ、あまりにこの意見が強すぎるので、対立するはずの大友の言葉が響かない。綺麗ごとになっちゃうんだよな。
その結果割を食ったのが風俗堕ちしたっぽい介護士の子なのかな。
あのこの存在がないと斯波を全肯定するしかなくなる。
テーマの犠牲者。
でも、そのお陰で、実際全肯定はできなくなる。
（それと人殺しと叫ぶ遺族）
みんなで知恵を絞って、斯波が至った答え以外の道を探さないといけない──って方向に殺人肯定を描くことで向かわせる映画なのかな。
今も、これからも、誰もが斯波になりうる。
本当に避けてはいけない物語なのかもしれない。
という感じで素晴らしい映画ではあったんだけど、所々ちょっと気になる点もあり。
どストレートにテーマをセリフで話しすぎな点と、裁判前の報道画像。
確かにテーマを話すのは大事だけど、真っ直ぐすぎて台詞感がちょっと強い。もう少し画で見せてくれてもよかった気がする。
それと裁判前のデモ隊は安っぽすぎる。
邦画でよく見るセンスのない画って感じ。
いらなかったぁ！
エッチなシーンは無し。
ただ、ワンシーン女性の結構エロよりの下着姿とかは出て来る。
2023年70本目
2023年劇場10本目
