ヴレア

ロストケアのヴレアのレビュー・感想・評価

ロストケア(2023年製作の映画)
4.1
介護について全く他人事だと思っていたが、いつかは親を介護しなきゃ行けない時が来るかもしれない。
そうなった時にどうしたらいいのか、何が出来るのかを考えさせられる映画だった。

松山ケンイチ演じる斯波が連続殺人犯であり、社会的には悪に違いないのだが、検事の長澤まさみがその真意を掴む為内面に迫って行く。
その2人のやり取りのシーンがとにかく引き込まれる。
普通は罪から逃れる為に言い逃れしようとするものだが、斯波の揺らぐ事の無い信念の高さにはそれだけの説得力があり、段々と感情移入させられた。彼自身も父親を介護していた経験があるのだが、その父親役の柄本明の演技がまたとんでもなく素晴らしくてヤバかった。
もうこういった難しい役どころはすぐ柄本明にやらせればいいとか思ってない?まあ最高なんだけど。

長澤まさみ演じる検事もまた、自分の親が認知症だったりして、斯波を追い詰めて行く中で自身の事を重ねてしまい色々と葛藤が生まれて行くというのも面白い所だった。

まとめると、とにかく松ケンの役のはまり具合が素晴らしいもので、本当に役になりきっているなぁと感じたし、彼が事件について告白して行く所は鳥肌が立つくらいの圧巻さだった。
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