たけまる

ロストケアのたけまるのレビュー・感想・評価

ロストケア(2023年製作の映画)
4.0
「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」
聖書について無知だけど、なんて無責任な発言だ。
万能にコレが適用されるなら楽ですね。
自分と人は違うから、相手の立場になって考えたり、理解する努力が必須で、わからないが大前提。

シバと検事どっちの味方したいかと言ったらシバになっちゃう。
もちろんやっちゃダメだけど、普通の人、普通の考えにしか思えなかったから「精神異常者の可能性もあるな…」に驚いた。

シバに寄り過ぎないように傍聴シーンで人殺し!の声があって助かった。

けど実際ロストケアされた41人の被害者遺族のうちどれくらいがシバを憎むのか、心底救われたって人はどれくらいだろうか、その割合はとても気になる。
感謝しながら憎んだり割り切れないやりきれない気持ちもあるだろうし、
介護疲れの深刻さによっても違うだろうし、
どのラインで殺すかのシバの線引きはどうしたって正当化できないし、
シバと父親のものだけは肯定してしまうけど、それでも土壇場の父親の気持ちはわからない。
自分があの父親だったら、息子にそんな辛いことさせずになんとかして自殺するって思った。自殺じゃ保険金おりないか

世間体に左右されない、世間の普通を教えてほしい

迷惑かけてもいいんだよって思うけど、迷惑かけたくはない

法律を振りかざす検事のセリフは本当に嫌だ、合法の悪事なんていくらでもあるし、違法な優しさもいくらでもある。

一律の正解はなく、ひとりひとりの答えを見つけていくしかない

あ、検事は嫌だったけど、エルピスもあって長澤まさみは好きと思えてる。よかった
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