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ロストケアのKのレビュー・感想・評価

ロストケア(2023年製作の映画)
3.8
モラルや法律を盾にしただけの綺麗ごとvs経験者のリアルを通してみる介護の実態。

"この社会には穴が空いていて、その穴の底で愛情と負担にもがき苦しむ人々に社会は手を差し伸べないで綺麗ごとばかり言っている。"

愛情がある家族だからこそ余計に憎しみも増えていく。"絆"がどんどんしがらみになっていく。そんな介護の実体験者のリアルな声に、あぁ、自分は何も言える立場にないなと思いました。

そもそも、いかようになっても長く生きるのがよいことだと誰が決めたのか、人間らしく生きれなくなったときに、生きることを"諦める"のではなく、これ以上生きない、愛している人に迷惑をかけないという選択をする余地がこの社会にはあってもいいと思う。

『Plan75』の後に本作、で、畳みかけるように"自分らしい死に方"について考えさせられました。

確かに、"自分らしさ"、とかよく言うけど、"自分らしい死に方"についてはまだこの国では議論されていないですね。
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