サン

ロストケアのサンのレビュー・感想・評価

ロストケア(2023年製作の映画)
4.0
何が正しいのかわからなくなる。
殺人はいけないこと。
当たり前の事だけど
頭では理解が出来ているようで
本能では
出来ていないのかもしれないと
思ってしまった。

認知症患者の介護
自分の生活もすべて壊れていく。

助けたんじゃなくて
諦めただけ。
その言葉は、とっても辛かった。
殺されたという現実だけで
毎日の苦痛から開放された事は
どこかへ行ってしまうのか。

違法であることは
もちろん分かっている。
でも、この現実から逃げたい
そう思っている人は多いと思う。
国は何も助けてはくれない。
悲しい現実が、辛い毎日が
重くのしかかる。

老人ホームに入れるのは
お金持ちだけ。
貧しい人は、手厚く介護なんて
されるわけもない。

自分のことも
家族のことも
わからなくなっていてまで
生きたいとは思っていない。
映画「プラン75」のような
制度がほしいと思ってしまう。

先の見えない呪縛を
解いてくれるなら
どんな方法だって望むだろう。

長澤まさみ、松山ケンイチの
演技は、素晴らしかった。
サン

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