ヒラセシオ

恋する惑星 4Kレストア版のヒラセシオのレビュー・感想・評価

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)
4.9
1万回でも観たい映画

ウォンカーウェイの構図は、この後、花様年華で完成すると思うのだが、恋する惑星でもその片鱗は見てとれた。
特に人物を左右のどちらかに配して、余白をたっぷり取る構図。(第2書の序盤でトニーレオンが香港の街を歩くシーンは、顔のショットを撮り人物を画面下に配することで、画面上2/3をたっぷりと余白をとっていた。)
この様な重心を傾ける演出はさらに進化する。カメラを斜めにすることで、文字通り世界を傾け、鏡を使って世界を錯綜させ、シャッタースピードを極限まで遅くすることで、時間までも歪ませていた。

そして今回、映画館で観て1番感じたことは音楽の使い方。

大音量で流れる「California dreams」を急に止めることで生まれる音のない緊張感、男女の気まずさ。
1回目はラブシーンで使った「What a different a day makes」は、2回目では全く違うシチュエーションで使うことで、語らずも映画に恋が始まるムードを作っていたと思う。
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