Uえい

ブエノスアイレス 4Kレストア版のUえいのレビュー・感想・評価

3.4
「恋する惑星」「天使の涙」の舞台は香港だったが、今回はなんとアルゼンチン。そして冒頭から男同士の濃密なラブシーンから始まる。一歩引いて見始めたが、描いている内容は前作までに描いていた内容と変わらない恋愛模様で、失恋がテーマだった。

ファイとウォンはアルゼンチンの観光名所イグアスの滝に向かっていたが喧嘩別れしてしまう。その後、ファイはドアボーイとして働いていたところ、偶然ウォンと再開する。ウォンは手を怪我しており、ファイの住むアパートで介抱してあげるが、前の関係には戻らず、喧嘩が絶えなかった。

その後、回復したウォンは出ていってしまう。喧嘩ばかりだったが、そんな生活にファイは幸せを見出していた。そして失恋や、過去の父との関係を乗り越えるため、香港に戻る決意をしたのだった。

白黒とカラーが混ざった映像でスタイリッシュさはそこまで強くなかった。終盤サッカーの試合のシーンから一気に視点が変わり、ファイの姿を客観的に捉え出した映像が忘れられない。それまでは主観的だった映像が一気に開けた感覚になる。ストーリーも繋がっているようで何処か散漫とした感じだったものが、このシーンでギュっと集約していて、この後のファイの帰路が味わい深くなっている。
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