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2046 4Kレストア版のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

2046 4Kレストア版(2004年製作の映画)
4.3
1960年代の後半、香港の古びたホテルに住むチャウ(トニー・レオン)は、その頃荒れていたチャウを救ってくれ愛した女ギャンブラーのスー・リーチェン(コン・リー)や自分を愛した娼婦パイ・リン(チャン・ツィイー)や日本人男性との恋に悩むジン・ウェン(フェイ・ウォン)それまで自分が接してきた女性たちとの思い出やこだわりを胸に、ある近未来SF小説『2046』を書き始めていく。
それは、失われた愛を見つけることができるという“2046”へ向かう謎の列車の物語。
2046から帰ってきた者は、いないという。
ただひとりの男(木村拓哉)を除いては。そして今、男は再び列車に乗り込んでいた…。
チャウは、想いを打ち明けることがなかった女たちの思い出を引きずり、愛に彷徨っていた。
「花様年華」の続編であり、「欲望の翼」に登場したギャンブラーのエピソードの続編でもあるラブストーリー映画。
「花様年華」で親密になり淡い想いを寄せ合ったチャン(マギー・チャン)に想いを告げることなく別れ引きずっているチャウは、「チャンは自分のことを想っていてくれたのか?」答えを確かめられず、自分に執着するパイ・リンや束の間に想いを重ねたスー・リーチェンや日本人男性との恋に悩むジン・ウェンの間を揺れ動きながら、「変わらない愛」を求める現実と、かつて愛した女を探し求める木村拓哉のチャウが書いたSFラブストーリーが、交錯して乱反射しながら描かれていくラブストーリーは、愛は永遠に続かないことを知りながらも永遠の愛を探してしまう人間の性を知り尽くしている大人には、切なく共感出来る。
フェイ・ウォンやコン・リーやチャン・ツィイーの艶やかなチャイナドレス姿やトニー・レオンの伊達なスーツ姿に、うっとりしてしまうビターな大人のラブストーリー映画。

レストア版では、エピソードの流れが分かりやすくなっているので、こちらの方が良いです。現実と小説が、円環を描くような関係になっているので分かりやすい。
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