BOB

2046 4Kレストア版のBOBのレビュー・感想・評価

2046 4Kレストア版(2004年製作の映画)
4.0
『欲望の翼』『花様年華』に続く、ウォン・カーウァイ監督による"60年代三部作"の完結編。

1967年香港。ある"男"が「2046」という近未来小説を書く。

"全ての記憶は雨で濡れている"

部屋番号は2046。愛した女の名前はスー・リーチェン。過去に愛した女を忘れられない"男"が、失われた愛を求めて独り彷徨い続ける悲しきラブストーリー。決してたどり着けない場所へと、ミステリートレインは走り続ける。

WKW監督作品。『恋する惑星』『天使の涙』『ブエノスアイレス』はあまり合わなかったが、この"60年代三部作"はどれも好みだ。晴れてマイマイベストトリロジー映画の仲間入りを果たした。今後、何度も観直すことになると思う。

WKW監督は、お互いを想ってはいるが、素直になれず、すれ違いを繰り返す人々を描くのが本当に上手い。

ウォン・カーウァイ監督の耽美な世界観に没頭。類まれなる色彩感覚(本作では特に赤と緑)、映像センス。構図、人間の撮り方。モノローグとスローモーション。ネオンとタバコの煙がやたらと映える。どの映像も忘れ難い。セクシーでロマンチックな音楽も雰囲気抜群。

国際色豊かな60年代香港。広東語、北京語、日本語の3カ国語が飛び交い、英語、スペイン語の曲が流れる。

豪華アジア人キャストの共演。三部作の主役トニー・レオン。『恋する惑星』のフェイ・ウォン。チャン・イーモウ監督作品でお馴染みのコン・リーやチャン・ツィイー。『欲望の翼』以来の登場となったカリーナ・ラウ。日本代表のキムタクも男前だった。驚いたのは、アシスタントディレクターにキー・ホイ・クァンの名前があったこと!

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