真一

いつも難しそうな本ばかり読んでる日高君の真一のレビュー・感想・評価

3.2
同級生と
コミュニケーションを
取りたくないという気持ち、
よく分かるよ。

僕も、小学校時代は
そうだったから。
いじめられていたんだ。

最初は周囲に
馴染もうとするんだけど、
何を言っても
からかわれたり、
笑われたりする。
そんな時はよく、
読む気もないのに
教科書を広げていた。
教科書を読んでいる
ローカーストの子に、
声をかけるハイカーストな
生徒はいないからね。

そして、やることがなくて
ボーッとしている姿を
クラスに見せれば、
さらにからかわれるのでは
ないかという恐怖心もあった。
だから、教科書を
読んでいるふりをした。
エアー読書は心身を守る
術だった。実は。

今だからこそ、
僕は中学三年生の
「私」(當真あみ)に
感情移入しつつ
「日高はしょうもない
奴だなあ」と思うけど、
はるか昔のあの頃を
振り返ると、日高君は
どう考えても自分自身だ。

もっとも、
あんな可愛い子に
声を掛けられれば、
自分なら顔を
真っ赤(///∇///)にして、
心臓をバクバクさせながら
「いや、えーと、
その…ブツブツ」と
意味不明の呻き声を
上げただろうな。
あんな風に
怒鳴り付ける選択肢は
なかったと思う。

可愛い子だろうと
誰だろうと
近寄ってほしくない日高君は、
僕が経験したことがない
トラウマを抱えている
のかもしれない。

いずれにせよ、
コミュニケーションが
苦手な子供たちにとって、
弱肉強食ワールドの
学校は地獄だ。
空気を読んで輪に入る
スキルがなければ、
いじめられ人生へ
一直線だからね。
その地獄に落ちないための
防衛ツールが、岸田秀と
アインシュタインの本だった
というのが、今回のお話。

わずか7分間の
超ショート映画だけど、
よくまとまっていました。
怒鳴られた當真まきちゃん、
かわいそう😢
真一

真一