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アポロ10号 1/2: 宇宙時代のアドベンチャーのネットのレビュー・感想・評価

3.5
大量のテレビ番組と映画。金かかってる。小説で大量の固有名詞を記述するのはいくらでもできるが、映画でやるのは金がかかるというのはなんか勝手に不公平さを感じてしまう。
ピンチョンを初めて読んだ時のワクワク感に近い。ここでピンチョンの名前しか持ち出せないのは自分の知識の浅さだけど、ひたすら過去エピソードを羅列する地の文だけのような映画という形式は面白かった。
歴史の教科書に載らない歴史を主人公が自分の経験に則して語る。でも実際にアポロ11に乗ったのはあの三人だけ。ならばそれすらも自分が経験したものとして語ることで、子供の遊びもテレビ番組も月面着陸もジャンク映画も名作映画も全て同じ重さを持ったものとして語り直せる。歴史とは事後的に語られるものだから価値も事後的に決定されるが、リアルタイムにおいては全てが等価に見える。アストロワールドのロープウェイでみんなとニュースを共有する。
幻覚と実写の差異をなくすものとしてアニメを用いた(スキャナーダークリー)と同じ考え方。月面着陸の特異性を抑え、日常を称揚し、それらの差異をなくす。宇宙飛行士も父親の仕事も同じように大事だから。
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