そら

長ぐつをはいたネコと9つの命のそらのレビュー・感想・評価

4.5
『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』をはじめとしたマカロニ・ウェスタンのオマージュに溢れており、その一方で西部劇的なニヒルでカッコだけのマッチョなヒーローを否定する話にもなってるのが凄かった
9つの命を持つヒーロー、プスが「命のストック」が無くなった時に初めて対峙する真なる死の恐怖と、いままでの自分の人生が薄っぺらなハリボテの書割に過ぎない虚栄の「カッコ良さ」だけだったことに直面し、本当に生きるということは何なのかということに目覚めていく…というめちゃくちゃミドルエイジ・クライシスの話でドツボにハマりました

サブキャラクターも全員素晴らしく、特に圧倒的な恐怖を携えて現れる「ウルフ」は存在そのものが死の象徴であり、姿を現すだけで圧倒的な絶望を与えてくれる最高のヴィランでした
クマ一家のドラマもこの人達だけの映画が見たいと思えるレベルで素晴らしかったですし、邪悪なドラえもんことジャック・ホーナーの徹底した純粋悪も痺れました
日本では全く売れてなかったみたいですが次回作もちゃんと劇場公開されて欲しいという思いも込めてオススメです
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