エータキ

マルセル 靴をはいた小さな貝のエータキのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

展開やオチは読めるし、マルセルを追ったドキュメンタリーのはずが時折誰がどう撮っているのか分からないシーンがあって、それに対する言い訳のようにこんな風に頑張って撮ってるんですよ、というシーンが挟まっていたのも気になる。
だけど見終わった時にいい映画だったなと思った。マルセルも頑張ってんだから自分も頑張ろうみたいな。

自分とは違う、なんなら人間ではない生物も同じような悩みを抱えてたり、思考が一緒だなと共感出来るとグッと来る。
共感するというのは自分の過去を思い出し、映画のキャラと同じ経験や感情がなかったかを探して見つけ出せた結果であって、つまり結構感傷的になるし、なんなら映画のキャラは自分と違って前に進むよう選択して成長する一方、自分はそれが出来なかったとなり自己嫌悪しちゃうことに気づいた。歳のせいかも。
いい映画ってのは各個人の思い出を思い起こさせるものなのかも。

家族を見つけた際に、今まで培ってきた生活の知恵が大半は不要になった、というセリフでマルセルは未練なく技術を捨てることが出来るし、コミュニーケーションにおいても聞かれたことに答えて変に話を膨らませないようにしたり、相手の望むことに応えようとする姿などから、いろいろと気遣え出来る点が自分よりも出来る人間だなみたいなので自己嫌悪になっているのかも。なぜ対人コミュニケーションがそんな達者でさらに祖母もだけど文字の読み書きや人との会話が可能なのか。

コミュニティーが20匹程度と説明ありながら膨大な数で暮らしてたのは笑った。
あと自分の誰かに師事したい。
本当はいいこと言ってくれる人は周りにたくさんいるのかもしれないけど。