レイモンド（ユアン・マクレガー）は異母兄弟のレイ（イーサン・ホーク）を訪ね、過去に彼らを虐待した父親が死んだことを伝える。遺言によって2人は墓穴を掘り埋葬することになるが、父の元恋人や看護師など、晩年の父の知人たちに会い、その意外な一面を知ることになる。
ユアン・マクレガーとイーサン・ホークってだけで期待値が上がってしまった。
破天荒なオヤジの生涯自体が面白そうだけど、これは不幸な過去と惨めな現在を顧みて、生き方を変えていく男たちの物語だ。
かといってシリアスなドラマではなく、オヤジの遺品とか、レイモンドのネガティブな自己評価コメントとか、コメディとしてけっこう笑える作品でもあった。
主演の2人は常に一緒で、じゃれ合っているようにも見えて、いかに父親という共通の敵を向こうに仲良く成長したかが分かる。
半日かけてのハチャメチャな埋葬の割に結末は平凡。
それでも、2人の名演技で最後まで引き込まれたし、父親の最期の恋人が「パンズ・ラビリンス」のマリベル・ベルドゥってのも絶妙だった。
映画は雨に始まり雨に終わるけど、確実に男たちには変化があって、きっとレイの “俺たちは親父のことを分かってなかったな” というセリフに尽きるんだろう。
様々な顔を持つ父親を知り許したレイモンドと、自分がいかに父親に似てるかを知り前に進もうとするレイの表情が素晴らしい。
