不運に憑りつかれていた18歳の孤児のサム(エヴァ・ノブルザダ)は幸運の銅貨を拾い、その持ち主の黒猫ボブ(サイモン・ペッグ)を追って運の国へと迷い込む。サムは残してきた幼い孤児のために、ボブは追放を逃れるために、銅貨を手に入れる冒険が始まる。
幸運があれば幸せとは限らないし、不運が幸せを運ぶこともある。そんなメッセージを分かりやすく映像化したスカイダンスのアニメーション作品だ。
不思議な運の国がワクワクさせられる美しい映像で描かれているんだけど、その魔法のような技術によって、途中からなんでもアリの世界になってしまい、説得力も感動も薄れてしまったのが残念だ。
黒猫もドラゴンもユニコーンも、印象に強く残るようなキャラがいなかったんだよなー。まあ、悪人が出て来ないという設定は好きなんだけど、なんだか子供向けテレビ番組の延長に感じてしまった。
それでも、エヴァ・ノブルザダの歌はきれいだし、サイモン・ペッグもジェーン・フォンダも、役者としてのイメージそのままのキャラクターが楽しくて、気楽に観られる作品だった。