Jun潤

犬も食わねどチャーリーは笑うのJun潤のレビュー・感想・評価

3.4
2022.10.07

岸井ゆきの出演作品。
最近なにかと出演作が多い元SMAPの面々。
キラキラアイドルだった頃には考えられないなかなかユニークなキャラを演じることが多いですが、今作はなんといっても「旦那デスノート」という、今の僕には関係なくても今後対象にならないとも言い切れないものを題材にしているということで、恐々としつつ鑑賞です。

結婚3年目になる裕次郎と日和夫婦。
側から見ると(裕次郎目線では)、仲睦まじい夫婦、しかし一方で、ネット上には夫に死んで欲しい妻の愚痴が集う「旦那デスノート」なるサイトが存在していた。
職場の同僚から、サイト内で話題の人物「チャーリー」の投稿を見せられた裕次郎は、明らかに自分のことが書かれており、日和が密かに投稿していたことを知る。
自分に隠れてそんなことをしている日和にビクビクする裕次郎。
そんな夫婦の冷戦は、裕次郎の浮気、日和への上司からのセクハラと徐々に過激さを増していく。

う〜〜ん、、、。
序盤くっっそ笑ってしまい、そのままのペースで行かれたらコメディ映画で初となる人生最期に見たい映画に入る勢いでしたが、中盤の割と早めから失速してしまったぁ…。

序盤こそ本当にこういう旦那いるぞとか、それに対するかなりエッジの効いた罰を投稿する妻の様子に声が出そうになるほど笑っていました。
しかし、これに自分が当てはまる時が来たとしたら…なんて考えると笑いも渇きますね。
そこに岸井ゆきのの怪演も混ざってくるともう堪りませんわ。

日和に対して書籍出版の話が来て、裕次郎に職場の若い女性の誘惑が来始めた頃から雲行きが怪しくなり、過去の話が入ってくると、スタンダードめに見えた夫婦も、若い頃は割とキラキラした恋愛してたんじゃんとか、どっちも職場でモテモテじゃんとか、旦那の笑えないやらかしあんじゃんみたいな、コメディからシリアスへの転換が急旋回すぎて、ギャップをだいぶ感じてしまいました。

裕次郎の同僚の結婚式のスピーチあたりでこれはそろそろ終わりかなと思いきや、最恐サイコの姑が出てきたり終わりそうで終わらなかったりで、あコレどうせ最後走って再会して終わるなと思ったらなんとまぁその通り。
裕次郎がなかなかヤバめのダメ旦那だったので、ちょうどよく悲しんだところで苦々しく終わってもよかったのではとも思います。

タイトルの『犬も食わねどチャーリーは笑う』について、劇中の描写を含めた個人的な解釈としては以下3候補。
①犬も食わないような夫婦喧嘩だけど、その愚痴を吐くことでチャーリー(日和)は笑える
②犬も食わないような夫婦喧嘩も、それを超えた先でチャーリー(日和)が笑えるのならその喧嘩も無駄じゃなかった
③夫婦喧嘩は犬も食わないけど、チャーリー(梟)は笑ってるよ
と、鑑賞中に考えましたが、おそらく②が一番近かったのではないかなと。

システムとか筋トレとか一応描写を回収して締めていて、なんだかんだ二人はそれぞれが1人の人間であることを認めて、星野源から言葉を借りると、「夫婦を超えた」んだなって、“いい意味で”!笑
Jun潤

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