佐藤克巳

フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

5.0
精密怪獣映画シリーズの第1作であり、「マタンゴ」を引き継いで変形人間シリーズの異種系を成すSFホラー映画の傑作。敗戦寸前のドイツからフランケンシュタインの心臓が広島市に持ち込まれ、原爆投下を受け巨大化する少年の悲劇。一方秋田油田を襲ったのを手始めに南下し、山村を次々襲撃する地底怪獣バラゴンの凶暴さ、俊敏さは数ある怪獣の中でも随一である。また白根の山荘で遊ぶ高橋紀子を発見した当時の衝撃を今回再確認出来た事、LDでタコと格闘する米国版ラストとは違う日本版オリジナルで観れた喜びは格別だったし、母性愛に溢れた水野久美にまた惚れてしまった。でも最大の感動は、自衛隊があまり貢献出来なくて、真っ赤に焼けた山火事の中、少年がバラゴンを退治して最後に地面に沈む瞬間だった。
佐藤克巳

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