フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)の作品情報・感想・評価

「フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)」に投稿された感想・評価

nori007

nori007の感想・評価

3.5
大戦中にドイツのUボートによって運ばれたフランケンシュタインの心臓。それは原爆投下によって消失したかに思われていた。。。

本多猪四郎監督の日米合作映画で、かなりリアルな設定となっている。特に幼少のフランケンの不気味さといったらもうトラウマレベル。ところが急激な成長をしてしまいもはや人の手に負えない存在となってしまう。

この映画は8割方フランケンの悲哀の話しで、バラゴンは最後の方にしか出てこない。そんな取ってつけたようバラゴンだが、これがまたすげえ良かったりする。
バラゴンの跳躍力が素晴らしいし、フランケンの動きもすこぶるいいので普通のタコ殴りだけの怪獣バトルとは全く違った立体的な戦い方をするのだ。

そしてその背景が轟々と燃える山火事。この絵的にも美しくも迫力ある風景は見ものである。
五十

五十の感想・評価

3.8
フランケンシュタインと地底怪獣ですよ。
どんなB級ボンクラ映画かと思うじゃないですか。

ところがどっこい。
結構ガチな戦争場面から始まるという、なんとも硬派なすべり出し。
しかも、広島の原爆投下まで描写しちゃうっていう。
それが、本作の怪物の誕生と間接的に関わってくるわけですね。
ちょっとたまげました。

怪物の誕生に何かしら軍や戦争が関わるっていうのが、東宝らしいという見方もできますね。笑


また、広島での医療研究や浮浪児の存在など、この時代の日本を切り取っていて非常に興味深いです。
実際に劇中のようだったかは置いておいて、こういった学びがあることも昭和特撮のイイところじゃないでしょうか。


最終的には、フランケンを殺処分しろという声と、貴重な科学のサンプルだから生かせという声、単純に命だから助けてあげたいという思いが交差する、モラルや良心の話になっていくんですね。
しかし、その話がウェットにならずに意外にもクールに進行していくのが独特でした。

「モラルや良心の話」と言いましたが、その一番象徴的であるべき人物がコロッと意見を変えるのもなんだか妙な毒っ気があって好きです。
狙ってやったわけではないのでしょうけど。笑



映画の終盤は尻すぼみで終わってしまった感は否めませんが、予想していたよりもドラマチックな展開に驚きました。
面白かったです。




あ、そうそう。
東宝女優の水野久美さん、今作でもセクシーですねぇ。
まだ巨大化前のフランケンに襲われそうになる(勘違いだったわけですが)シーン、表情が超エロいです。
全然今でも通用しますよ。良い女だぁ。
KUBO

KUBOの感想・評価

4.0
1945年第二次大戦末期、陥落寸前のドイツから始まる。

ドイツから日本へ密かに潜水艦で運ばれてくる荷物を受け取る日本兵が、その中身を「まさかヒトラー?」と推測する件はおもしろい。

それが運ばれてくるのが「広島」。箱の中身は「フランケンシュタインの心臓」。絶対に死なない兵士を作るために運ばれてきたのだ。志村喬も出てるし、この頃の特撮映画は子供向けの映画ではなく、東宝がまじめに作ってるな〜。

今は「原爆ドーム」となっている「広島県物産陳列館」が特撮で再現されているのにこだわりを感じる。そして広島の街に原爆は落とされ、「フランケンシュタインの心臓」も灰になったかと思われたが…

野獣は美女(水野久美)には何もしない、ってのは「キングコング」からの決まりごと。

檻の中で中途半端に大きくなったフランケンシュタインはダークなアリスのよう。怪獣サイズになる前のこのくらいのサイズの時が一番不気味かもしれない。元祖「進撃の巨人」かも? このサイズで団地内を闊歩する時の、やはり中途半端なサイズの団地のミニチュアは貴重だろうな〜。

後半、急にバラゴンが出てきて、前半の怪奇映画風味わいは損なわれ、怪獣プロレスとなるが、その珍妙なバランスも伝説の映画を伝説たらしめる所以かもしれない。

ラストの山火事をバックにしたシーンもあまり特撮映画で見ない絵なのでうれしい。

「死んだのでしょうか?」
「いや、彼は永久の生命を持っている。いつかはどこかに出てくると思う」

ということで「サンダ対ガイラ」に続く。




これ、今の技術でデルトロがリメイクしてくれたら、すごいものになりそうなんだけどな〜(^^)


(バラゴンって、◯◯ゴンっていう怪獣の名前の元祖じゃないかな?)
劇場公開オリジナル版でタコ出ない版ですね。戦争の影が色濃いのが本多監督流かも。広島への原子爆弾投下前の原爆ドームが観れる。日米合作なのに広島を舞台にしているが、フランケンシュタインを巨大化させるために必要だ。ワザと因縁つけてる感じがしていいネ!
20180504 #55
久々に衛星劇場で鑑賞。
特撮部分と実写とのマッチング、冒頭の油田炎上シーンのミニチュアワークなど、作り込みの丹念なところに感心。
フランケンの路上生活の様子に戦後の影の部分を生々しく感じることができ、それが東宝怪獣作品の中で特別な存在としているのだと思う。
タカシ

タカシの感想・評価

3.2
『1965年の日本を観る』


輝ける東宝特撮映画群の中の一作。

不死の心臓から生まれた巨大人間フランケンシュタインと地底怪獣バラゴンの対決を軸に、不死の細胞を巡る科学者たちの冒険を描く。

まあなんといっても特技監督円谷英二謹製の特撮シーンの素晴らしさは語らざるを得ないだろう。
どうも縮尺がおかしいなあと思って観ていたのだが、これ怪獣の大きさがゴジラの半分以下の大きさしかないらしい。なので、ミニチュアセットが異常に細かいところまで作り込まれていてちょっと感動する。

また戦時中の研究から生まれた細胞が成長して生まれたと思われるフランケンシュタインに対する三人の科学者たちのスタンスの違いも面白かった。高島忠夫は科学者には見えないんだけど。

ヒロインの水野久美は美しいね。この頃の女優さんはちょっとけた違いに美しくていつもびっくりする。

フランケンシュタインの逃走ルートに私の地元岡山があって、その中でJR岡山駅前が短く映るんだが、あの桃太郎像はもうあったんだとか、あの建物すでに建ってるとか、いろいろな発見があった。
映画はちょっとしたタイムマシンですよ。

他の方のレビューに「タコがタコが」と書いてあって何のこっちゃと思って調べたら、この作品、結末が三つあって、その中の一つにラストに大ダコが出るものがあるらしい。
私の見たのは劇場公開版・オリジナル版と呼ばれるもので、大ダコは出ないのでありました。やれやれ。
CS(日本映画専門チャンネル18.05.02録画)にて。18.05.04
2018#048
バラゴンの取ってつけたような扱いに目を瞑れば良い作品だ

所謂怪獣よりも一回り小さい怪獣のための大きくて精巧なセットが臨場感を出している
最後の山火事なんかは今では撮影出来ないと思う
純粋な心を持っているのに怪物であるが故、忌み嫌われるフランケンシュタイン。歯茎が歯周病なのだろうか、やけに赤い。徹底的に人間サイドに嬲られるため、フランケンに感情が入っていく。が!いざ対決となるとバラゴンがあまりにも可愛いすぎるので、気づくとバラゴンを応援する私。なんつっても立ち上がりざまの火炎放射がクール!身軽に飛び跳ねる姿も可愛い!(いやいや、だが怪獣というのは本来恐ろしいものであって、バラゴンはなんと人を喰っているのだ!)一方、文字通り死体蹴りを果たしたフランケンは何の前触れもなく突然現れた大ダコにさらわれエンド。そりゃねえよ!色んな意味でバラゴンが可哀想だよ!まあ、何だかんだで味わい深い作品ではあるね。
怪獣映画としては初の日米合作。
日独伊三国同盟によって日本に持ち込まれたフランケンシュタインの怪物の心臓が広島の病院で研究されていたところに原爆が投下され、これにより、さらなる怪物が生まれれしまったという二次創作的な発想で描かれている。このような自由な切り口で語ることができるのは、自分達の映画技術に自信がある証拠だ。
見所としては、超リアルな原爆投下のシーン。映画の本題とはそれほど関係ないはずだが、きっと本当にあんな熱風が街を焼き尽くし、禍々しいキノコ雲が上がったのだろうと思わせるような鮮烈さだ。やはり本多&円谷コンビが反戦反核の作家であることがわかる。
1931年版の『フランケンシュタイン』の悲劇性や哀感を踏襲し、優しくしてくれた女性に別れを告げに来る一連のシーンなどの演出にそれがよく表れていて、怪物をめぐる人間模様にも焦点をあて、実に丁寧に描いている。彼は怪物なのか、それとも人間なのか、怪物だとしたら権利はないのか、という問い掛けをするドラマ部分は、ウルトラQに出てくる「変身」に近い。
怪物が光を怖がる理由も泣かせるし、心ない人間たちからライトで照らしつけられたことで不安をつのらせて凶暴化してゆく悲劇性を、彼に一言もセリフを発させずに、すべてを言葉に頼らない映像上の表現で見せてしまうのは、『猿の惑星創世記』のシーザーに通ずるような巧みな心情演出である。
怪獣が比較的小さめの設定でサイズ感はない映画だが、今回の敵怪獣のバラゴンはかわいい。あまり有名な怪獣ではないが、この映画のあとでボディを剥ぎ取られ、ウルトラマンのパゴスやネロンガのベースとして有効活用されている。
しかし、ラストで唐突に大ダコが出てくるとは!このシーンは諸説あり、公開時には違う結末だったのだが、アメリカ側のスポンサーが東宝の大ダコ演出をいたく気に入っていて、どうしても登場させてほしかったのだとか。確かに生物をそのまま使ってしまうのは、ミニチュアの技術が進んだ日本特撮ならではであり、ハリウッドからみれば目から鱗の発想だ。タコなのに目から鱗とはこれ如何に。そんな特異な演出ひとつとっても素晴らしい。60年代の東宝特撮の輝ける作品ひとつである。
swansong

swansongの感想・評価

4.1
目潰し弾を投げる高島忠夫のあまりにもあんまりな投球フォーム!

"草薙くん"とバラゴンの死闘を指をくわえて見物し、 モンスターたちが水中に没したとたん安全確認もせずに即時撤収する自衛隊!

麗しき昭和の"スクリームクイーン" = 水野久美とはどう見ても不釣り合いなニック・アダムスの男ぶり
( 失礼 )!

そして怪獣映画史上、 もっともサプライズィ~ン! な "アイツ"の降臨。 (笑)

ツッコミどころ満載なれど、 私はこの「ザ・東宝怪獣映画」が好きです♪

("⌒∇⌒") ツチヤヨシオサン、カッコイイ!

2018ー21
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