まさ

リバー、流れないでよのまさのレビュー・感想・評価

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)
3.7
あえて「B級タイムループドタバタコメディ」と言わせていただきます。雑だけれどもなんかほっこりとする佳作です。

京都の貴船の老舗旅館を舞台に、2分間のループに巻き込まれ、抜け出せなくなってしまった人々を描く作品です。ループするのですが、その間の記憶は残るというのがこの作品のおもしろいところです。だから時間はもどるのですが話は進展していきます。このような場面で人間はどう行動するのだろうというシチュエーションコメディの要素もあります。このドタバタが笑いをさそいます。

どうせ時間がもどるんだから、何をしてもOKだという気持ちになるのもわかります。自分だったら何をするだろうかと考えてしまいます。死んでも2分後には生き返るのだから一遍死んでみようという気にもなってしまうかもしれません。とは言えそのループがいつまで続くのかもわかりません。しかも記憶はなくならないのだから、どこまで思いきれるのかも考えさせられます。

ただし、脚本はそこまで深刻にはなりません。哲学的に深入りすることはなく、表面的に進行していくので、肩は凝りません。が、ちょっと物足りなくも感じてしまいます。映像もループするたびに天気が変わってしまうので違和感を覚えます。晴れたり、雪が積もっていたり、曇りだったり、繰り返すたびに天気が違うのです。これは雑すぎます。

アイディアのおもしろさを感じましたが、もっともっとおもしろくなる可能性も秘めているような気がしました。アイディア勝負の映画だったとは思いますが、思い切ってこのアイディアを再度使ってみるというのもいいのかなと感じました。
まさ

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