Bew666

ミッション:インポッシブルのBew666のレビュー・感想・評価

3.9
スパイ映画の中で今尚続く人気シリーズの記念すべき第1作。今では定番となったミッションの伝達方法や、変装マスク、ユニークなスパイアイテムの数々は、今も変わらず受け継がれているので、ここから始まったんだなと思うと色々感慨深いものがあります。

本作のトム・クルーズさんは、スパイチームのリーダーにはあまり見えず、ただの好青年という所もあり、本作だけで見るとちょっと役不足感はあるように見えますが、その初々しさと甘いマスクの持ち主が凄腕のスパイというギャップには、誰しも心奪われたと思います。
ここからは予想ですが、本作のイーサン・ハントという主人公のように、強くてカッコいい、スーパーヒーローのような人物がスパイなんだと、子供に夢を与える存在としてのスパイ像が確立されていくのに、大きな影響を与える作品だったと思います。そのイメージと主演のトム・クルーズさんとの人物像がマッチしているので、こういう人物が実際にいてもおかしくないと思えてしまうのはやっぱり凄いなと思いますし、このキャスティングは素晴らしいものだったと私は思います。 逆にもしこの作品の主人公がトム・クルーズさんじゃなかったら、今でも続くスパイ映画シリーズにはならなかっただろうなと思います。そう思わせるくらい演者とキャタラクター像がぴったりハマっている作品だと思いました。

本作は全体的にアクションとサスペンスのバランスがとてもよく、二転三転とするストーリーにもかかわらず、混乱することなく気楽に楽しめるようになっています。そこには、キャラクターとの関係性もあまり深めず、大胆なアクションとテンポよく進んでいくストーリーがそうさせているのかもしれません。
言い換えてみれば深さがなく、淡々と物事が進んでいき、チームが出てくるがチームぽさがなく、そこに会話から生まれる深みもないということになります。これらは公開当初から批評家達から言われていた事でもあり、確かに納得はできます。ですがこの作品にそこまでの複雑さがあると、視聴者の処理能力にも個人差があるため、誰しもが楽しめる大衆映画的な面白さが損なわれてしまうと思います。その大衆映画的な面白さがあるからこそ、今尚続く人気シリーズとして、輝き続けているのかもしれません。当初の批評家達の求めたいた作品に近い作品が、本シリーズの6作目に当たる作品だと思いますが、では6作目のような複雑な作品が、1作目だった場合はどうだったでしょう?6作目はシリーズで初めての、章を跨いで展開されるストーリーなので、これ1作だけでは、かなり分かり難い作品です。これでは面白くても1作だけで終わっていたと思いますし、折角のトム・クルーズさん演じるキャラクターが生きてこなかったと思います。ここがやはり監督の手腕が光っている所であり、スパイ映画なのに誰でも気軽に楽しめる作りだからこその賜物だと思っています。(あくまでも個人の意見ですが...)

大分長くなってしまいましたが要するに、シリーズ映画の大事な要素がこの1作目には詰まっており、たとえ監督が変わってもシリーズ通しての主人公であるイーサン・ハントのキャラクター性にブレがなく、キャラクターと演者が共に大きくなっていき、回を重ねるごとにより洗練されている。演者がどこまで映画のキャラクターを演じきれるかに、面白さはあるのかもしれないなと、私は思いました。

🙇🏻‍♂️長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました🙇🏻‍♂️
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