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猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)のBew666のレビュー・感想・評価

3.6
猿の惑星の起源を描く、リブートシリーズの最終作。
前作「猿の惑星 ライジング」から2年後の世界を描いた作品で、人間との戦争激化していく最中、妻子を殺された主人公シーザーの復讐の旅を描く。

本作は前作の雰囲気とはガラッと変わり、全体的に宗教色強めな落ち着いた作品になっているので、前作の流れのまま見ると、かなり肩透かしを喰らう。
正直なところ、面白さで言えば前作ライジングの方が映画的にも面白く、尚且つ分かりやすかったので、自分は本作はあまり楽しめなかった。
本作は上でも述べたように、戦争が激化している最中の話なのだが、とてもそういう雰囲気はあまり感じられない。
全体的に人間vs猿という描写が少なすぎるので、「最中」と言われてもモヤモヤする。また人間側につく猿はいるのに、猿側につく人間がいない事も、前作の続きから見ていると違和感を覚える。個人的には、激化していく戦争描写しっかり見たかったので、ガッカリ感が否めない。

色々言いましたが、良いところもあります。それは勿論猿たちです。猿たちの全身に生える毛並みや、毛が雨や水などに濡れた時の質感など、本当にこの猿が居るかのようなリアルさは、前作・前々作と見てきて目まぐるしい進化を遂げています。前作まではカメラが引いたり近づくと、肉眼でも分かるレベルに猿のCGが浮いたように見えていましたが、本作は寄っても引いても、まるでそこに居るかのようなリアルさがあるので、映像的な違和感を感じる事なく楽しめます。
その他にも、ロードムービーのような風景描写もよく、荒廃した街並みや、海外沿いを歩くシーン、雪景色など、風景がコロコロ変わるので、まるで一緒に旅をしているかのような感覚になります。

本作は良いところもありますが、これで最終作と言われると、イマイチ盛り上がりに欠けるというのが、個人的な感想です。
本当は全3作ではなく、4作あったのを1作削ったのかなと思うぐらい、2作目と3作目の空気感が違うので、これから見る人はそこを理解して鑑賞した方がいいですね。

🙇🏻‍♂️読んでいただきありがとうございました🙇🏻‍♂️
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