木木

Tchaikovsky's Wife(英題)の木木のレビュー・感想・評価

Tchaikovsky's Wife(英題)(2022年製作の映画)
3.9
チャイコフスキーの交響曲が苦難から逃れられない運命かのように、映画も登場人物誰も幸せにならない=ロシアで生きていくに繋がってくるような歪みがあり凄かった。チャイコは結婚の不運を創作意欲に変えたとしても、女性1人の人生を台無しにしており、才能を持って生まれれば、何しても許されるとは如何なものか。とはいえ、蔑ろにさらても執着を抱き続ける女の狂い、現実が見えなくなっていく女の果てを見るのが悲しい。

セレブレンニコフらしい虚構が現実と溶け込み、かつフィクションを誇張し、裸の男たちがマッチョイズム国家を表しているようなパートには不快感も拭えずにはいられなかったが、ロードショーされたらまた観たい。しかしどうせなら命日の11/6に組んだらよかったのになあ、と思ったり。上映には感謝ですが。
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