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告白、あるいは完璧な弁護のWNTのレビュー・感想・評価

告白、あるいは完璧な弁護(2020年製作の映画)
3.8
IT会社社長のユ・ミンホは不倫をバラされたくなかったら10億円を持ってホテルに来いと知らない人物から電話で脅される。
ホテルに着くと、そこにはかつての不倫相手キム・セヒも呼び出されていて犯人と思われる人物は一向に現れなかった。
ミンホはホテルの部屋で何者かに襲われ、目覚めるとセヒが何者かに殺されていた。
完全なる密室殺人でミンホが犯人だと思われるなか、彼は見知らぬ男に襲われた事実を主張するが信じてもらえない。
ミンホは無罪を主張するため、100%無罪を勝ち取る弁護士ヤン・シネと話し合いを始める。

ミンホの供述やアリバイは全て本当なのか、嘘が混じっているのか。
弁護士のシネと駆け引きをするように話していくハラハラ感と、ゲームのように可能性を探り真実や結末に近づいていくストーリーが面白い。

無罪を勝ち取るために嘘偽りなく話すことで、弁護士の信頼を得て裁判に勝つ。
しかしこの事件には隠されたもう一つの事件が絡んでいて、他にも容疑者が考えられることから一筋縄ではいかない難しさに引き込まれる。

ほぼ会話だけで進むストーリーなのに、あらゆる回想シーンや可能性を見せてくれるので分かりやすく楽しめる。
主人公、弁護士と共に謎を解いているような感覚になる臨場感と心理戦に目が離せない。

不倫した社長の無罪を勝ち取るという少し引っかかる設定から始まるこの作品。
その疑問が疑惑に変わり、何を信じていいのか分からない人間の汚い欲望には言葉を失う。
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