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ショーイング・アップのmiraのレビュー・感想・評価

ショーイング・アップ(2023年製作の映画)
4.0
給湯器が壊れ風呂に入れず家主に直せ、と指示しても個展があるから……といわれ先延ばしにされるし、作品作りたいのに猫がエサ欲しがってくるし、しかもその猫が鳩にちょっかいだして弱った鳩を外に捨てたのに、大家が拾ってきて不在だからと預けられてしまう始末。それに兄弟は奇行に走るし、大家は古典成功させてやかましい音楽かけているし、自分の作品は釜から出したら半身焦げているし、、、という、やることなすこと何もかもうまくいかない様子が顔に出ているミシェル・ウィリアムズ。顔もそうだが、着ている服もなんだか不衛生に見えてくるし、作業着は汚い感じがちゃんとしていてよかった。序盤に心地がいい横移動(役者の移動が伴う)が2回と室内横移動(役者の移動が伴わない)が1回、入ってくる。ミシェル・ウィリアムズが兄弟の家を訪れ、窓越し(フレーム内フレーム/フレーム繋ぎ)から穴掘っている姿を目撃してしまった(!)感じが出ていていいし、まるでこのまま話しかけたら殺されるんではないだろうか、という不穏な空気になっていたのがよかった。あと、鳩逃すところの緊張感な。あの縦長のギャラリーだからこそ、入り口付近に子供、真ん中に作品と鑑賞者、そして奥に家族(しかも言い合いしている)という構図と出来事が呼応した演出ができる。終始カメラが心地よくって最高でした。それとミシェル・ウィリアムズの不機嫌そうな顔が最高。
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