まみ

ショーイング・アップのまみのレビュー・感想・評価

ショーイング・アップ(2022年製作の映画)
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給湯器の修理の催促に少しweirdな家族の面倒、押し付けられた鳩の世話、そして労働…アーティストだという自負だけはあるのに生活はやるべき雑務でいっぱいで、生きるだけで時間が溶けていってしまう。でもどこか完璧主義で周りのことが目に入ってきて仕方がない。十分に思索をする時間もない。そんなリジーのフラストレーションが手に取るようにわかった。(この類の気苦労ってオシャレに語れないから溜まってくのよな)
中盤、リジーもジョーも鳩に愛着を持ち出して、お互いの才能や境遇への嫉妬と比例するように相手に譲りたくない宝物みたいになっていくのちょっとうますぎた。
あと、終盤にある一番の自信作が少し焦げてしまったあと、作品の最終チェックと交互に母とジョーに電話をかけまくるシーンはちょっとPMSぽい雰囲気の苛立ちを感じた(わたしはそれも好き)

大人は大人で生きてるだけでいっぱいいっぱいなんだよ、ただ生きてるだけでprecious人生なんだよ

▼良すぎたショット

・ジョーがタイヤブランコするシーンの1stショット。後ろの木々に陽光がうまく入り込んで生まれる光が美しい。

・白いアトリエの窓?を映し出すズーム。ホン・サンスのでたらめズームみたいな奇妙さ。ダーンダンダーンダダンダンダンみたいな変なリズムがついてる。一体なに。
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