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ショーイング・アップの小屋のネタバレレビュー・内容・結末

ショーイング・アップ(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

 ファーストカウを見に行って興味が湧いたので見に行った。最初は寝そうになってしまった…笑この監督の作品は、派手な演出がないので慣れるまで集中力が切れそうになってしまう。だけど全体的に控えめなユーモアが散りばめられており、楽しく見れた。
 アーティストの主人公が、個展を開くまでの日常を描いた作品。その日常もいいことばかりではなく、猫の餌が切れたり、大家は水道を治してくれないし、お兄ちゃんは失踪したりする。だがその出来事のスケールが非常に僕らの生活に近く、親近感の湧くものだった。ファーストカウでもそうだったが、この監督のどんな人間でも等しく特有の性格や行動など(癖)を持っていて、それによっていいこともあるし、悪いこともあるという描き方はあたたかくて素敵だなと思った。そしてそんな「普通の人」からアートが生まれるということは、最大限のアートへの肯定に感じる。
 最後の世話を焼いた鳥がどこかに行ってしまい、それを探して、そのあと2人でギャラリーに帰るシーンも好きだった。電線や風で揺れる木などのカットを挟んだあと、鳥が見つからないのも、その後の2人の仲直りも、これってあるなあ、と思う。その空気感を作り上げ方が上手いんだと思う。
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