キモサベ

ショーイング・アップのキモサベのレビュー・感想・評価

ショーイング・アップ(2022年製作の映画)
3.1
主人公のリジー
どうやら自分の個展が近い様子、陶芸の人形作家さんのようです
美術の学校(母校?)で教えてもいるようですが、どこか精彩を欠いています・・・っていうか、“くたびれている”様子
猫と一緒に暮らす中年シングルさん?
お隣の女性ジョーもご同業(同級生?)の芸術家さんで、しかも大家さんなのかな?
・・・などなど、お話が進むにつれていろいろ見えてきます

さて、配信の検索をしていて“ミシェル・ウィリアムズ”の名前を見つけ、それだけで飛びついた作品です
ついでに、 ケリー・ライカート監督とありました

ですから中身不明、タイトルさえ存じませんでした・・・ってか、日本で公開されたのでしょか?

では感想です
リジーの日常、それもたった何日かの出来事を淡々と綴った作品なのですが、自分は彼女彼女から“ざわざわ”感?、あるいは“イライラ”感?のようなものを常に感じる作品でした
そう、そこに描かれるのは、彼女には平穏などとは決して無縁とも思える、“苦難”“障壁”(・・・と、言ってしまえば大げさかもしれません)の連続でした
かといって大した『事件』がおこるわけではないいんです(他人が見れば)
監督さんが一番描きたかったのは、この“他人が見れば”の視点だったのではないでしょうか?
すなわち・・・
余計な事しないで、猫ちゃん⇒猫から見れば、“本能”だから仕方ない(ほんの気まぐれ)
修理してほしい給湯器⇒大家さんからすれば、ちょっとぐらい我慢できないの?(こっちも忙しい)
うまく焼けなかった失敗作品(落胆)⇒個展にきたお客からすれば、これも芸術?(失敗か成功か、なんてわかりゃしない)
・・・などです

あまり“個”を主張しすぎちゃうとね・・・です
でもそれって、このケリー・ライカート監督さんの映画そのものなのかなぁと・・・うまく言え(書け)ませんが、上手な“脱力感”みたいな
ふと、そんな気がしましたです、はい

【追伸】
追伸というか、自分にはこっちの方が本題かも?
実は冒頭に書いたとおり、ミシェル・ウィリアムズつながりでの鑑賞だったわけで、ケリー・ライカート監督さんなんて“眼中”にありませんでした(失礼)

ところが・・・です
観終わった後に調べると、ミシェル&ケリーで「ウェンディ&ルーシー 」(2008年)が作られていたじゃありませんか!
これにはびっくり
自分がミシェル・ウィリアムズを初めて知った映画でもあり、この女優さんは大物になるぞ、と確信した1本だったからです
作品自体も自分の“生涯ベスト100”には入るでしょう、的な好きな映画です

今(2024年3月に書いてます)自分が、アカデミー賞獲ってもらいたい(いや、必ず獲れる)と思っているのが、このミシェル・ウィリアムズとシアーシャ・ローナンのお二人なんです
ノミネートはされるんですが、“残念”が続いてます

そして、今回でケリー・ライカート監督作品は2作目の鑑賞だったわけです
これも、調べるとハリウッド大作系とは一線を画したインディー系の映像作家(女性です)さんのようです
これから、気を付けて観させていただきます
キモサベ

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