かなりちいかわだなと思いながら見た。
サーカスの少女に飼われ育った出自から、人の世界にも動物の世界にも馴染めない、心落ち着く場所を探し求めているだけなのに、無自覚に関わりを持っては人間たちに巻き込まれてしまう。寡黙な主人公のロードムービー。
「主人公が喋れないので音楽で頑張りました」と言わんばかりの音楽への力の入れ方は良かった。
動物への愛は分かるが、動物に対して人間的な動機や感情を見立てすぎていると思った。動物への向き合いがあまりにも素朴すぎる。
自分は動物に対し、人間的な尺度でその心中を想像して良いものかとずっと葛藤があり、素朴にドラマをやろうとしている映画を純粋に観ることはできなかった。
しかしそれでもEOを代表とする動物、そして自然が、魅力的に撮られていることは間違いなく、美しさに見惚れる映画だった。