メロドラマには興味ない、と思っていた私の何がこんなにこの映画に吸い寄せられたのか2回観てもまだ答えは出ていない。パクチャヌク監督の世界観は好き。ただそれだけでこんなに魅了されるのだろう？
ミステリーを装った愛の話、あるいはメロドラマを装った人間の本質の話なのか。とにかくこの映画を観てからずっとへジュン刑事とソレにとりつかれてる。言語が違う二人のコミュニケーションの拙さが、余計に親密さを深めている気がしてふと思い出しては胸がざわめく。
そしてただありふれた日常の動作の中にも、艶や情緒をのせられるんだなと映画の素晴らしさも味わえた。お寿司を食べた後にテーブルを二人で綺麗にするという動作だけで官能的だった。ポケットからリップクリームを奪うただそれだけなのに夫婦の営みのシーンより何倍も色っぽくみえた。
でもすれ違いは突然に（必然に）起こるのが人間の業というか、綺麗なだけではない複雑な感情を表していて。ソレの最後の行動に、別れる決心ではなく永遠に別れない決心をみて悲しくも美しいと思ってしまう。
とても現代的ではない湿っぽい話だと、冷静に考えるとそう思うけどもこの映画は冷静さを奪う熱さがある気がする。
色々と解説（韓国と中国の歴史の話など）を読んで理解を深めている最中だけど、まだまだ足りないので早く円盤が欲しい。
