みむさん

CLOSE/クロースのみむさんのレビュー・感想・評価

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)
4.0
泣いた。胸がぎゅうぎゅうに締め付けられた。
傷ついたレオとレミが必死に堪えながら涙する姿やラストにもらい泣きが止まらなかった😭辛すぎる。

13歳、多感な時期だが仲良しで楽しそうな二人に降りかかる残酷な物語、罪悪感、そこからの再生への物語。

ラベルのない名前のない愛、その通りだった。
ただただ一緒に過ごしたい、この時を一緒に楽しみたい大親友。
子供の無邪気さや思春期のおふざけは時折とても残酷。周囲の目を意識して自分の殻をつくったりわざと距離をとったり。その気持ちもわからなくもないのでつらい。
その意識が別の無垢を傷つける。
そういうことって子供の頃はあまり真剣に考えてなかったかもなぁ…と心が痛くなる。
レミ側の気持ちもわかりすぎる。なぜ?という気持ち。そのモヤモヤな気持ちのやり場に困惑して、どうしたらいいのかわからなくなっちゃう。
とにかく辛い。

そして大人はどう接したらよかったのか。

子供は想像以上に気を遣ったり我慢したりすることがある。自分が子供の時を振り返っても思い当たるふしがある。私は親ではないので自分の子供に接する場合を体験してないが、これは親にも響く話じゃなかろうか。

意外と親の思いが的外れだと思う場面があったのだけど、それは事情がわかっている第三者(観客)だから感じることであって、あの場合事情を全く知らないからそうなるのも無理ない。

レミの母の態度に救われた。人によってはさらに残酷な展開になっただろう。あのお母さんの迷いや葛藤も想像を絶するものがある。

レオくんつらかったし罪悪感はついてまわるかもしれないけど。それでもまだまだ長い人生を生きていって…という気持ちに。

カラフルな部屋や花畑の美しさ、アイスホッケーの荒々しさが対照的。

台詞だけではない、間の取り方、視線と表情と佇まいで心情が痛いほど伝わる。
抑えていた言葉を一生懸命絞り出す姿は見ている側も本当に苦しかった。

とにかく残酷な話だがとてもよかった。

エデン・ダンブリンくんグスタフ・ドゥ・ワエルくんは天才子役かな!?

レミのお父さん役がケヴィン・ヤンセンスだった。
EUフィルムデーズ『パトリック』主演、俺のハンマー返せ!で全裸だったあのケヴィン・ヤンセンス…😵

※タグは、監督自身がラベルのない愛の話だがクイア映画でもあると言っていたので。