このレビューはネタバレを含みます
お見事。
はじめに断っておきますが、結構ネタバレします。
劇場がほとんど女性しかいないのが面白い。この手の映画決まってそう。BL系だし背景何か綺麗だしそうなるのか。逆に無機質な廃墟みたいな背景に美少女出てたら観に行ってるかもしれん。いや観に行ってるわ過去にww
でもね、これは男でも泣けるよ。
「思春期の強烈な記憶が蘇る」と宣伝されていますが、この年代の男の子が撮ったのか、くらいに思いました。この監督凄い感性。
close(親密さ)が意味するもの。
いくら親しい間柄とはいえ、心の中までは見えなかった。所詮赤の他人だからなあ。親友といっても、相手がどれだけ自分のことを愛している(依存している)か、その程度はわからない。
大人であればそれを理解し、見えなくてもあそこまで強烈に遠ざけることはしないだろう。ゆるやか〜に疎遠になる笑
でも彼らは12歳でガキだった。
レオの方はおしゃべりで積極的な印象だが、彼もまた不器用な子供らしい子供。とんでもない十字架を背負ってしまい苦しむ。クラスに溶け込み、一人前の男になろうともがくその中で、今まで通りの距離感でいたいレミを冷たく突き放す。
生きながらにしてレニはひとりぼっちになり、そして自ら命を絶った。一方レオはレニが死んでから初めて孤独を感じた。代わりになる存在などいなかったのだ。
レミの部屋での揉み合いと校庭での喧嘩を見せつけられて、これは良い映画だと確信しました。その後は集中して見れました。
レミの死後も見どころで、レオとレミ母との腹の探り合いはサスペンスの緊張感がありましたね。お母さん役の女優どこかで見たことある気がするんですが、まあ上手で。
レオ役の方はレニが死んでからも結構あっけらかんとして見えるので、演技下手なのかな?そこを利用したのかな?と勘ぐりましたが…何にせよ演出としては成功しているので問題なしってことで。
この男の子目が良いですね。あと小学校の頃の友達に似てる笑
レニの死体が一切出てこないしどういう死に方をしたのかも明らかにされないという。まあ大人たちは知ってるんでしょうけど、そこはあくまでレオの視点で物語るために排してあると想像。
そういえば祖父が自殺したときも当時はまったく死因なんて知らされなくて、つい最近まで知らなかったものなあ。今思えば従姉妹の様子がおかしかった。上の子は表に見せなかったけど末っ子の次女がやっぱりおかしかった。
数年前だから全然大人になってからだけど、結構寝小便してたのも思い出しました。やっぱりあれ自律神経がイカれてたんだろうなあ。
レオの家が花育ててる農家ってのはわかったんですが、コンバインで根こそぎ刈り取ってるし完全に観賞用じゃないですね。油にするんですかね。ベルギー?フランス?だから香水の原料にするとかそういうお洒落なやつかも。
何が泣けるって最後レニの家がすっからかんになってるところなんですよね。あそこで急に涙腺きました。
ラストカット良い。自分で映画撮るならああいうラストカットで終わりたいね。
これからパンフ読みます。