千

CLOSE/クロースの千のレビュー・感想・評価

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)
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こんなにセリフの少ない映画を初めて見た。
思春期特有の感情表現が言葉じゃない点に魅了される。
長閑な風景、花、華奢な少年、、儚く繊細で美しい。
自然の中で自転車を思いきり漕ぎたくなった。

★ 監督インタビューの一部★
「ウォルト・ホイットマンの『We two boys together clinging』という詩にある『2人の少年が互いにすがりつき分かつことが難しい』という表現が、とても美しいと思っていました。男性同士でペアやバディを描く表現はあるけれど、彼らが切り離すことのできない者同士であるという表現はあまりされません。レオとレミの間にあるのは、制限もなく、名前をつける必要もない関係性の愛です。それはある意味、2人で1人の人間なのだと解釈できるかもしれません」。

★監督がインスピレーションを受けた作品★
「Deep Secrets」
心理学者である著者が、13〜18歳の少年を対象とした調査結果をまとめた本。
13歳の頃は男友達を「世界で一番心を許せる大好きな存在」として語っていた少年たちが、年月を重ねるにつれて男友達との親密な関係に悩む姿が記録されているという。
中でも監督は「親密な友情(close friend ship)」という言葉に着目。
この深い親密さが映画の悲劇的な出来事のきっかけになるとし、作品名にも取り入れている。
千