natsumi

クライムズ・オブ・ザ・フューチャーのnatsumiのレビュー・感想・評価

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人類の身体に変異が起き始めている世界。主人公のソールは体内で新たな臓器が増え続ける異質の病気を患っている。それを逆手に取り、新しい内臓ができあがるたびパートナーのキャプリースと共にパフォーマンスアーティストとして内臓摘出手術を公共で行う。設定は相変わらず面白いけど、クローネンバーグ、歳とって丸くなった感じ。今までのボディホラーも上品だったけどちゃんと吐き気を及ぼすグロだったのが、今回だいぶ控えめで子綺麗な印象。割と冒頭の描写がグロじゃないけど一番気持ち悪かった。普段映画とかで使われるCGとか全然わからないけど、そんな自分でも今作だと割とCGが気になった。インタビューでこの劇中で起きていることは(脚本を書いた20年前はそんなこと考えてはいなかったが)中絶や性別適合手術の権利の問題にも例えられるとか言ってたけど、後で考えてみればそうかもしれない程度。アートとは、アーティストとはみたいな自分にも刺さりそうなテーマもあったけどあまり刺さらず。ポスターデザインからは3人主演だと思ってたのでクリステン思ったより出番少なくて残念。人間の身体の異変により痛みを感じないから登場人物たちが無表情で感情移入はしにくいけど、だからこそのオチなんだけどあれだけじゃ物足りない… 手術に使われる機械が無機質な感じではなく「戦慄の絆」で出てきた器具のように骨や甲殻のような凝ったデザインなの良かった。
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