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パラレル 多次元世界のSSDDのレビュー・感想・評価

パラレル 多次元世界(2018年製作の映画)
3.3
◼︎概要
4人のベンチャー企業の若者達はアプリでの大手との取引寸前のところで、納期を数日にまで変えられ、破れ被れになっていた。事務所兼居住として借りている一軒家では、隠された屋根裏を発見し、多次元世界へのポータルとなっていた鏡を発見する。無限に広がる多次元世界へのアクセスを見つけた各々は…。

◼︎感想(ネタバレなし)
"ダークレイン"、"パラドクス"などのアクの強く、賛否両論の作品を手がけるエスバン監督ということで、("イビルアイ"を観るの忘れてましたが)本作はどないなもんでしょうと期待。

前の作品群もいずれも不条理かつ解釈が難しい作品で、特にパラドクスに関しては様々な解釈をできる考察しがいがある作風でした。

本作については設定や内容をより理解しやすくシンプルかつ丁寧に進めているものの、登場人物の情緒がわかりづらかったり、せっかく丁寧に下処理した設定を途中で壊れてたりとなんだかとっ散らかった印象。

パラドクス並みに説明なく振り回された方が、作品としての全体での没入感や面白みは高かったと思います。
今回は小綺麗になってしまい、他の量産されたSFに埋もれてしまうような感じで少しがっかり…。

あまり映像美やキャストの演技、絵力などに頼れない描写力なのでストーリー性や独創性で闘ってほしいところです。
次回作に期待ですね。








◼︎感想(ネタバレあり)
・着想の面白さ
時間の流れが異なる、同じ世界には行けない、戻ってくる世界線はひとつという設定が面白い。精神と時の部屋のような形なので、利用してアプリを完成させるところから入るのはなかなか面白かった。
しかし、最後のノエルが複数人帰ってくるのは設定と矛盾するのだが、どこかの世界線では自由に行き来可能になったということなのだろうか。最後にレーナも現れるがあの家ではない場所に現れるなど、最後はちゃぶ台ひっくり返し過ぎて少し唖然としてしまいました。
最終的に誰一人元の世界線には違う人間しかいなくなりましたとさというオチにしたかったんだろうか。

・展開が読めてぐずぐず
明らかに鏡傾けて途中で真っ二つやるだろうなぁとか、あの装置で体に突き刺すだろうなぁなど想像出来る展開が多い。
その上でテンポが悪いものだからグズグズ感が否めない…。ノエルが壊れていく様子はもう少しわかりやすくできなかったのか、キャストの演技が全部同じでbfore/afterに差を感じなかった…。

・総評
同監督作品はやはりインパクトの高いぶっとんだ作風を続けてほしい!
不条理系で攻めてください!
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