ぽんぽこ

あちらにいる鬼のぽんぽこのレビュー・感想・評価

あちらにいる鬼(2022年製作の映画)
3.5
イオンシネマのハッピーマンデーで、ソーシャルディスタンスとは言え、ほぼ満席。
男性4女性6くらい。瀬戸内寂聴が高齢だったからか、お年寄りが目立つ。
主な登場人物は三人。
みはるは情熱的で、喜怒哀楽が激しいし、焼きもちやきだが、そこが又可愛くもある。
篤郎はデッカい子供。男性の狡賢い所や、八方美人な所、いい加減な所と、憎たらしい所も沢山あるが、それらをチャラにする位母性本能を擽ぐる憎い奴。
妻、笙子は、清濁併せ呑む人。
自分という軸があり、外野で下世話な事があっても、家族愛が強く意に介さない。
それは、篤郎が浮気しても、最終的に自分の元へ帰ると自負してるのだろう。
そうでないと、浮気相手にまで、慮るような台詞など、言えないと思う。余裕があるし人が好きなんだと感じた。
料理が上手で、家族や仕事仲間に振る舞う場面があるが、料理って、メンタルがモロに出るから、むしゃくしゃしてたりしたら凝った料理なんて、作れない。
篤郎は最後は本当かどうか知りませんが愛する二人に看取られて幸せじゃないですか。笙子が先に逝ったらとてもじゃないが荒れそうだ。
みはるは出家という形をとる訳だが、大往生で、たいして病気もせずに幸せだった。
出来杉君みたいな完璧な人より、ちょっと歪な方が魅力的やったりするもんな、人って。結局やったもん勝ちか!
帰る時隣の母娘が、「寺島しのぶ、頭の形綺麗やな。」と言っていて、エレベーター乗り合わせた老夫婦は、終始無言だった。
波瀾万丈な内容なのに、皆のリアクションが笑えた。
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