つなまよ大臣

ゴールデンカムイのつなまよ大臣のネタバレレビュー・内容・結末

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

普段アニメ・漫画の実写映画は避けがちだが、予告を見て「これはかなりクオリティが高いのでは??」と思い鑑賞。
劇場で見て大正解だった!!
冒頭の二百三高地のシーンの凄まじさ、北海道の自然の雄大さ、そして戦闘シーンの迫力は劇場の大画面で見る価値がある。

山崎賢人は杉元を演じるには華奢だし顔も可愛らしい印象だと思っていたが、実際に映像を見てみるととても杉元。
杉元は優しいが、彼の抱える過去はとても悲しく、さらに日露戦争を生き延びるために身につけるしかなかった残酷さを持ち合わせている。
この杉元の雰囲気を演じた山崎賢人はすごい。そりゃ様々な作品で主演を張るわけだ。そして山崎賢人って顔がいいんだ…ということを初めて気付かされた。(梅ちゃんと寅次の結婚式の回想で特に思った)

そして、ゴールデンカムイにおける二大勢力のトップ、鶴見中尉と土方歳三を演じるふたりがすごい。ポスタービジュアルの時点で完成度が高いと思っていたが、実際に動いて喋る2人を見ると、まさに適役だと感じた。
玉木宏の鶴見中尉、顔も声もカッコよすぎる。カリスマの塊。あんな上官がいたら誰だって心酔する。
一方、舘ひろし演じる土方歳三はめちゃくちゃ渋くて、その渋さが良い。
現実では土方は箱館戦争で戦死したとされているが、本作では実は生きており網走監獄に収監されていた、という設定になっている。原作でもひたすら強く、かっこよく描かれている登場人物だが、映画においてもその存在の凄みが感じられた。
「いくつになっても男子は刀を振り回すのが好きだろう?」というセリフはやっぱり痺れる。
ご本人も土方について「常々演じてみたい役だった」と語っていたので、ぜひとも今後の土方歳三のアクションシーンを見たい。早く見たい。

原作を知っているので何が起こるかは概ね把握しているが、それぞれのシーン・キャラクターが実写化でどのように動き、表現されるのかワクワクしながら鑑賞した。
映画化にあたってストーリーに一部改変が見られたものの、杉元とアシㇼパがタッグを組み金塊争奪戦に乗り出す過程が上手くまとめられており、映画オリジナルシーンも含め、かなり出来の良い構成になっていた。
原作の今後の展開を思うとカットせずに入れて欲しい場面もいくつかあったが、120分ほどの映画にまとめるのであればカットされるのも仕方がないかなという感じ。

原作はギャグシーンも多く、上手く調整しないと途端に寒い雰囲気になりかねないが、今回はそのバランスもよく取れていたと思う。
以降原作ではさらにギャグシーンが増えるので、次回作以降、単なるコメディとならないことを祈るばかりだ。

今回は原作の20話までの内容を映像化ということで、金塊争奪戦の導入として、続編に期待を持たせるような結末となっていた。
エンドロール前に今後登場するキャラクターのカットが流れたが、かなり期待できるビジュアルだった。
原作は決して短く無いのでかなりの年数がかかるとは思うが、ぜひ最後まで映像化してほしい。
つなまよ大臣

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